学校の勉強がもっと楽しく、効率的になるAIツールがたくさんあります。『AIを使いこなせ!きみが未来のヒーローになる方法』で、そんなツールを紹介しています。ここでは、保護者の方に向けてこの章で紹介したツールについてのお話をします。
AIの問題点については『AIを使いこなせ!きみが未来のヒーローになる方法』にも書きました。一番の問題点は、現在のChatGPTやGeminiが、ハルシネーションによる間違った回答をすることです。ハルシネーションとは幻覚、でたらめ、作り話、ディルージョン(妄想)などとも言い換えられます。つまり、AIは複数のデータを記憶し、そこから適切と思われる回答をしていますが、元になっているデータそのものに間違いがあったり、幻覚や妄想と呼ばれる言葉どおり、勘違いをします。そのため、AIの回答を完全に信頼してはいけないのです。これへの注意と対策は本書にも書きました。ただし、この問題は多くの開発者の大きなテーマにもなっているので、今後は技術の進歩によって正確性は増していくと思います。
さて、このことが大きな問題なわけではありますが、特定のデータベースにAPI接続すれば、正確な回答のみを得ることが可能です。まずはそれらのツールを使ってみるところから始めるとよいでしょう。このWEBサイトでも紹介している、語学学習アプリのDuolingoなどはその一番の例といえます。このほかにも、教育プラットフォームのKhan Academyなどがあります。
近い将来に、もっとさまざまな学習用アプリが登場すると予想されます。こどもたちの勉強だけでなく、学校の受験についても学校別に、特別な資格試験にもそれぞれに特化した学習アプリの登場も予想されます。
しかし、一つだけ忘れないで欲しいことがあります。それは、「学校」は大切だということ。集団生活やコミュニケーションを学ぶために、絶対に必要なものだと考えています。問題があっていけない子はまた別の話ですが、AIで勉強していれば、それでいいというわけではないということを、どんどん便利になっていく今の時代、忘れてはいけないことです。
AIは「相棒」「家庭教師」として仲良く付き合っていくことが一番よい考え方といえます。
本書ではいくつか紹介しましたが、今後、よりよいものが登場した場合は、以下を更新していきます。
- Duolingo: 英語や他の言語をゲーム感覚で楽しく学べるアプリ。AIが個々の学習状況を分析し、苦手な部分を重点的に練習させてくれます。きらら舎キッズでも別途紹介しています。関連サロンも開催予定です。
- Google Lens: カメラを使って画像やテキストを検索できるツール。宿題の質問や調査に活用できます。
- Picture This: 写真に写っているものを判別・同定するのはGoogle Lensが一般的かもしれないと一応紹介しましたが、植物に関してはこのアプリのほうが断然よいです。自分の図鑑を作れたり、その植物の健康状態もわかります。病気だった場合は、対処法も教えてくれます。このアプリについては無料版・有料版の違いや便利な使い方など、別途紹介していきますね。
- Grammarly: 英語作文の文法チェックツール。作文やメール作成をAIがサポートします。
- Khan Academy: AIが進捗を追跡し、個々の学習に合わせた動画や問題を提供する学習プラットフォーム。
- Quizlet: 単語カードを使って記憶学習を助けるアプリ。AIが記憶に定着しやすいタイミングで復習を提案します。
- Minecraft Education Edition: AIを使ったプログラミング学習が可能で、クリエイティブなプロジェクトを楽しめます。
- Photomath: 数学の問題を写真に撮るだけで、AIが解き方をステップごとに教えてくれるアプリ。
- Canva for Education: AIがデザインをサポートするツール。発表の資料やポスターの作成が簡単にできます。
- Explain Everything: デジタルホワイトボードアプリ。AIが音声入力をテキスト化し、発表の台本などを効率よく作成できます。アップルでも開発されています(Whiteboard Explain Everything)
- Tynker: 子ども向けプログラミング学習プラットフォーム。AIを活用したゲーム作成やコーディングの学びが可能です。